抵当権の抹消登記の依頼を受けてから、お客様のご都合により、長い間申請できなかった案件。
抵当権抹消の委任状・解除証書に押印している抵当権者の支配人が、A-Bへ変更されていました。
この件について、平成6年1月14日の先例があります。
「登記申請の委任をした法人代表者の代表権限が消滅した場合、その委任を受けた代理人が当該委任に係る
代理権限証書を添付して登記の申請をするとき、
申請書に添付された登記申請の代理権限証書の代表者が、現在の代表者でない場合における代表権限を
証する書面には、閉鎖登記簿謄本が含まれる。
尚、前記のような書面を添付して申請するときは、当該代表者の代表権限が消滅している旨を明らかに
する必要がある」
つまり、①Aが委任状等に押印した当時、Aが支配人であったこと、②退任時期が分かる履歴事項証明書を
添付することで、古い支配人Aが押印した委任状・解除証書で、抵当権抹消登記ができました。
但し、支配人の就任年月日は履歴事項証明書には記載されないので、管轄の登記官に確認すること
は必要だと思います。
又、今回は支配人の就任から退任までの証明が必要だったため、履歴事項一部証明書で支配人区にチェック
を入れて出してもらいました。